あしたがはじまるまえのじかん ＊朗読付

せんたく
ものを

たたむ
とき
かあさんは

こんど
ほっとけーきを

たべに
いこうねって

しろい
しゃつの
そでを

ていねいに
たたみながら
かあさんは

どんな
ほんが
ほしい？って

あしたは
だれと
あそぶの？って

ぼくの
ぱんつの
ごむが

ゆるく
なったねって
かあさんは

あしたが
はじまる
まえの
じかん

はなして
くれた

そんな
やさしく
おりたたまれた

いちにち
いちにちが

いまも
こころに
あるから

ぼくは
きょうも

いちにちを
やさしく

おりたたむ
ことが
できる

あしたが
はじまる
まえの
じかんに

2012.03.18

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朗読：さきみさん
2011‐2012限定ユニット「うたのこえ」より

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はばたき

わたしに
つばさを
くれるなら

ことりに
なりましょう

そして
あなたの

まわりを
はばたき
ましょう

とおくには
とんで
ゆかず

やまも
うみも
こえず

あなたの
まどべに

うたを
とどけましょう

あなたが
いつも
うつむかない
ように

わたしは
さえずりを
しながら

ちいさな
つばさ
ひろげて
いましょう

それで
あなたが
たちどまらず

あるいて
ゆけたなら

わたしは
かもめに
なって

あなたから
そっと

たびだって
ゆきましょう

2012/11/11

はぐるま

はぐるまが
すこしづつ

まわり
はじめて
います

むかしの
きかいの
ように

ごとごとと
おとを
たてながら

ぼくの
こころの
なかで

うたを
つくる

せいぞうきの
はぐるまが

あんなに
やすみ
やすみ

うごいて
いたのに

ちょいと
あぶらを
さしただけで

めを
さました
ように

ごとごとと
とけいの
はりに
まけない
くらい

うごいて
います

さいしんの
きかいには
かなわない
けれど

てづくりの
よさは

わかって
くれる
はず

ことばと
いう

なまえの
ぶひんを
だいじに
えらんで

まいにち
くみたて
さぎょう

じぶんが
えらんだ
みち
だから

いまさら
やめる
わけにも
いけません

たいりょう
せいさん
できない
けれど

ぼくも
はぐるまの
ように
とまることなく

ごとごとと
あぶらに
まみれて

まわり
つづけます

2012/12/09

いとなみ

うみは
びんせんの
ように

さかなは
ことばの
ように

そらが
かなしまない
ように

まいにち
てがみの
ように

げんき
ですかと
めっせーじ

そらも
びんせんに
なって

とりも
ことばに
なって

うみに
ありがとうの
おへんじ
おくります

そんな
ながい
はげましが
あるから

いつまでも
ちきゅうは
あおいの
です

2012.12.05

わたしが本ならば

わたしが
ほん
ならば

なんて
なまえの
ほん
なんだろう

ほんやの
どの
こーなーに
おかれて
いるのだろう

だれにも
てに
とられず

ほこりを
かぶって
いるのかな

うすっぺらい
ほん
だったら
いやだな

てにした
ひとを
まんぞくに
させて
いるのかな

わたしが
ほん
ならば

くすっと
こどもが
わらえる

ほんに
なりたい
けどな

2012/01/19



◇写真　aoisoraさん

定期船

ひとり
だけしか

おきゃくさん
のって
いなくても

ふねは
おもいきり
えんじん
ふかせて

みなとを
でて
いきました


そんな
ふねの
すがたに

おしえられ
ました

ひとりでも
きいて
くれるのなら

ちからの
かぎり

こえの
かぎり

ぼくも
うたおうと

2012/09/22



◇写真　aoisoraさん

いえ ＊朗読付

やわらかな
おふとんが
あります

やさしい
えほんが
ならんでいます

おかあさんの
おさいほうばこが
あります

あたたかい
おゆが
わいています

ふくが
やさしく
おりたたまれて
います

いろんな
おくすりが
ならんで
います

むかしの
あるばむが
あります

あたたかな
あかりが
ともります

みんな
そこに
かえって
ゆきます

そして
みんな
そこから
でかけて
ゆきます

2012/01/04

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朗読：さきみさん
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かよいあい ＊朗読付

きみは
とかいの
おおきな
えきで

ぼくは
いなかの
ちいさな
えき

あなたは
うみべの
えき

あのひとは
しゅうちゃく
えきで
しはつえき

わたしたちと
なづけた
せんろを

ことばと
いう

なまえの
れっしゃを
はしらせて

まいにち
えがお

はこんで
ゆく

2012/08/14

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たいせつなもの ＊朗読付

ぜんぶ
かばんには
はいりません

どれかを
おいて

いかなければ
いけません

つらい
でしょう
けれど

かばんは
あなたの
こころ
です

つめこむと
おもたくて
もちきれません

たいせつな
ものが

ぜんぶ
はいる

かばんは
うって
いません

おかねを
いくら
もって
いても

2012/01/08



◇写真　aoisoraさん

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朗読：さきみさん
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わたしがいまみたいのは ＊朗読付

わたしが
いま
みたいのは

みかんごしの
あおいうみ

わたしが
いま
みたいのは

なにも
いわず
さぎょうする
ひとの
ひたむきな
あせ

わたしが
いま
みたいのは

つばさ
はためかせ
とぶ
とりのすがた

わたしが
いま
みたいのは

あるべき
すがたの
ひとの
こころ

わたしが
いま
みたいのは

わたしの
こころの
くも
ひとつない
あおぞら

2012/08/12



◇　写真　aoisoraさん

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朗読：さきみさん
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ふと

Ⅰ
いろんな
とびかたが
あるんだと

それぞれの
とりたちの
はばたきは

むりを
して
いないんだと

そらを
みあげて
おもった
こと

Ⅱ
いろんな
およぎかたが
あるんだと

それぞれの
さかな
たちの
およぎは

むりを
して
いないんだと

うみに
もぐって
みて
おもった
こと

Ⅲ
いろんな
あるきかたが
あるんだと

われわれ
にんげんの
あるきかたは

すこし
むりを
しているなと

まちに
きて
おもった
こと


2012/12/30



写真は
和歌山の城北通りにある公園のすべり台なんだけど
このすべり台で遊んでる子供をみかけたことがない。
大人の私でもこわいと思う。
急すぎるやん。
作ってしまった人たちの心を疑ってしまう。
なんて思いやりがないんだろう･･･と
ふと。

ある日

あるひ
みたことの
ない

とりが
きたよって

かあさんが
まどの
そと
みつめて

ぽつり
いいました

いろんな
まどが

あちら
こちらに
あるのに

どうして
こんな
いえの

しかくの
まどの
まんなかに
おさまって

わたしと
めを
あわせるように

でんせんで
じっと
しているのかしら

ふしぎねって
いうから

あの
とりは
きっと

とうさん
だろうって

ぼくが
はなすと

それから
かあさんは

なにも
いわなく
なって

みかんを
たべながら

しずかに
ほほえんで
いました

2012/10/14

ちきゅうはおーけすとら

ちきゅうは
おーけすとら

いのちは
ばいおりん

かぜは
ふるーと



とりは
そぷらの
かしゅ

うみは
ごせんし

さかな
たちは
おんぷ

かみさまが
つくった

いちにちと
いうなの
がくふは

めくり
めくられ

きょうも
ちきゅうは

おわらない
おんがくを

かなで
つづけます

2012/12/21

◇写真　aoisoraさん

万華鏡 ＊朗読付（ちび）

はなの
いろが

やまの
いろが

そらの
いろが

めを
とじると

こころの
なかで
まんげきょう

きょうも
うつくしい

いちにちを
ありがとう

2012/11/19

写真　aoisoraさん

◇朗読：ちび

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がっこう

わたしの
こころの
なかに

ちいさな
がっこうが
あるのです

そこには
ひとりの
せんせいが
いて

わたしが
いけない
ことを
すると

やさしく
しかって
くださるのです

そして
わたしの
そばには
いつも

うたと
いう
なまえの
ともだちが
いて
くれます

だから
わたしは

みちに
それず
うつむかず

あるく
ことが
できるのです

いきる　と
いう
なまえの
きょうしつで

ゆめと
いう
えんぴつを
もって

きょうと
いう
こくばん
みつめて
いる
まいにちです


2012/12/08

かちかん

たかい
やまに
のぼれば

くもを
みおろせて
さいこう
だよって

みんなが
はなす
けれど

わたし
かわら
やねを
みおろせる

せの
ひくい
やまが
すき

いろんな
みちが
みおろせる

せの
ひくい
やまが
すき

くもは
みあげる
ものですから

たかい
ところに
たてる
ほど
わたし

えらくは
ありませんから

2012/10/10

おもいで

この
みちを
とおるとき

おばあちゃんは
ひがさを
たたんで
いました

むこう
から
あるいて
くるひとの

じゃまに
ならない
ようにと

わたしの
てを
ひいて
・・・

かるく
えしゃくもして

この
みちを
とおるとき

いつも
そんな
おばあちゃんを
おもいだします

2012/09/12

写真は八尾市東本町あたりの小路　

ぼたん ＊朗読付

　

　ふくの
　ぼたんは 　

　きょうだい
　なんよ

　みんな
　むねはって

　こんにちは
　するために
　おるんよ

　ひとつでも
　いなく
　なったら

　だらしなく
　なるんよ

　きっちり
　むねはって

　こんにちは
　して

　ぼたんの
　おかお

　みんなに
　みて
　もらうんよ


ちいさな
ぼうやが

いえの
まえで

おかあさんに
そんなこと
いわれて

でかけて
いきました

まぶしい
まぶしい

まちの
なかへ

かけあしで

2012/05/06

◇朗読はこちら
朗読：さきみさん
2011-2012限定ユニット「うたのこえ」より

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※このうたははじめ大阪弁で書いていました。
朗読していただくときにやわらかいことばにおきかえました。
大阪弁だと荒っぽいというのか
せわしい生活感が伝わってくるというのか
書き方ひとつでこんなにも違うものなんだと実感しました。
いろんな方言に置き換えてみるのも楽しいでしょうね。


＜大阪弁編＞
　
　ふくの
　ぼたんは
　きょうだい
　なんやで

　みんな
　むねはって
　こんにちは
　するために
　おるんやで

　ひとりでも
　おらんように
　なったら

　だらしなく
　なるから

　きっちり
　むねはって
　こんにちは
　して

　ぼたんの
　おかお

　みんなに
　みて
　もらうんやで

　

ゆうひせなかにのせて

くさに
こしかけて
いたら

とおくで
おばあさんが

はたけ
しごと
してた

せなかに
ゆうひ
のせて

こしを
かがめ
もくもくと

かげえに
なるまで

はたらき
つづけて
いた

ぼくは
せなかに

ゆうひ
のせた
ことが
ない

いつも
みあげて
ばかり
いたから

いちにちを
たがやさ
なければ

ゆうひ
せなかに
のせて

だれの
ためでなく

2012/09/18

まなざし ＊朗読付

Ⅰ
わたしの
このめは

たいせつな
ものを

みつめて
いますか

Ⅱ
わたしの
このめは

うそ
ばかり

みつめて
いませんか

Ⅲ
わたしの
このめは

ただしい
こころを

みようと
して
いますか

Ⅳ
わたしの
このめは

みて
みぬふり
していませんか

Ⅴ
わたしの
このめは

ひかり
かがやいて
いるでしょうか

Ⅵ
わたしの
このめは

しっかり
あなたを

みつめて
いるでしょうか

Ⅶ
わたしの
このめは

うつくしい
もの
ばかり

みつめて
いませんか

Ⅷ
わたしの
このめは

なみだで
うるんで
いませんか

2012/02/11

写真　aoisoraさん

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ぼくのさくひんてん ＊朗読付

すけっち
ぶっくに
かいた

きのう
までの
えを

こうえんの
べんちに

おいて
きました

しらない
だれかが
みてくれたらと

ただ
それだけの

ささやかな
ぼくの
さくひんてん

はじまり
ました


さあ
みなさん
いらっしゃい！


なんて
とても
いえないけれど


ぼくは
こかげで

だれか
きやしないかと
まっています

ゆうひの
おちるまで

いちにち
かぎりの
さくひんてん

きのう
まで
かいたえは

それで
わすれようと
おもいます

2012/06/10



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朗読：さきみさん
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すわりません ＊朗読付

きょうは
いすに
すわりません

ずっと
あるこうと
おもいます

すわると
うでくんで
あしくんで

えらそぶる
わたしに
なって
しまうから

どんなに
すわり
ごこちの
よさそうな

いすに
であっても

きょうは
いすに
すわりません

しらない
まちに
でかけます

そして
しらない
みちを

あるき
つづけます

2012/03/26

◇写真：aoisoraさん

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朗読：さきみさん
2011-2012限定ユニット「うたのこえ」より

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しおり ＊朗読付

だいじそうに
あなたは
かばんも
もたず

いっさつの
ほんだけを
もって

でかけて
ゆくのですね
･･･

わたしが
きのう
かみを
きった
ことにも
きづかずに
･･･

いっさつの
ほんだけを
もって

あの
かどを
まがって
ゆくのですね
･･･

あなたが
すきな
そのほんの

しおりを
はさんだ
ところ

わからなくして
おきました
こと
おゆるし
くださいませ
･･･

2012/04/06

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朗読：さきみさん
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つぎはぎだらけの絵

あなたは
すてた

いちまいの
えを

あんなに
じかんを
かけて
かいたのに

だれも
みて
くれない
からと

やぶいて
すてた

そんな
あなたの
えの
かけらを
あつめて

つなぎ
あわせて
いる
ひとが
いることを

あなたは
しらずに

どこかの
たびの
そらのした

そして
あなたは
しる

むめい
さっかの
えの
てんらんかいで

あなたの
つぎはぎ
だらけの
えが

ぜっさん
されて
いることを

2012/10/06

ちいさな太陽

きょうは
あめの
ふる

いちにち
だから

おれんじの
みかん

ひとつ
かいました

これを
きょうの
たいようと

おもう
ことに
しました

2012/03/20

ばらいろ

みあげても
そら
ばかり

つづくのは
みち
ばかり

ふき
よせるのは
かぜ
ばかり

そびえるのは
やま
ばかり

ひろがるのは
うみ
ばかり

それを
しあわせだと
おもえたなら

この
じんせい
ばらいろ




2012/11/12

あした

あしたって
しろいろの
くれぱすだ

いつまでも
いつまでも

まあたらしい
ままだ

2012/10/21

わたしはわたし

なるべく
でこぼこ
みちを

あるかない
ように
してください

なるべく
へいたんな
みちを

あるいて
ください

くつの
かたちが
かわりますから

それを
ちゃんと
まもって
くだされば

くつは
ながもち
しますと

あたらしい
くつを
かうときに
くつやさんに
いわれました

けれど
わたしは　
くつの
ために

みちを
えらんで
あるかなくちゃ
いけないのでしょうか

あらかじめ
どんな
みちかと

しらべて
あるかなくちゃ
いけないのでしょうか
・・・・・・

くつの
かたちを
まもるより

わたしは
わたしの
かたちを
まもりたい

このさき
どんな
みちが
まち
うけていても

わたしは
はだしで
あるきたい


2012.09.07

しろいいろえんぴつ

しろい
いろ
えんぴつを

そらに
なぞれば

しろい
くもに
なるんです

そうやって
せかいじゅうで
みんなが

そらに
なぞるから

いつも
そらには

いろんな
かたちの
くもが
あるのです

しろい
いろ
えんぴつは

その
ために
あるのです


2012．11．24

おやじの草笛

ばかやろう！
と

いいたい
とき
おやじは

ひとには
けっして
おこらず

だまって
かきねの
はっぱを
ちぎって

くさぶえ
つくって
ふいていた

ばかやろうの
おもいが
かき
けされるまで

こしを
かがめて

かおを
しかめて

くさぶえ
ひとりで
ふいていた

そんな
おやじの
くさぶえが

ぼくの
こころの
なかで
きこえてる

だれにも
おこらぬ
ようにと

おやじの
くさぶえが

やさしく
やさしく

おしえて
くれている

2012.08.22