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あおいろとんぼ [2015年作品]


あおいろ
とんぼ

とおくの
おそらから

どうして
こんな
わたしを
みつけたの

どうして
こんな
わたしの
あしもとで
はねを
やすめてるの

せかいは
ひろいのに

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※今朝、しごとでいつもの駅から事務所に行く途中の府道を歩いていますと
青色のとんぼが私のまわりを飛んで、私の足元に舞い降りてじっとしておりました。
見たこともないとんぼがどうしてこんな私の足元に来たのかと
突然のめぐり合わせに驚きました。
カメラを向けても飛び立つこともなくしゃがんでしばしその出会いをいとおしみました。


きっさ じゅん [2015年作品]



ふじ
あやこは
きものや
ないと

ふじ
あやこや
ないわと

じょうれん
きゃくが
てれびを
みながら

あいす
こーひーの
こおり
かきまぜていた

なんなら
こんや
この
かぼそい
こえで

ろっくんろーるを
うたって
やろうか

360えん
れじに
おき

すぽーつ
しんぶん
たたんで
みせをでた

2015/06/11




いなか [2015年作品]

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ひとっこ
だあれも
いねえ
いなかだと
おもってた
けどもさ

あきに
なれば
みのりの
あきで
しゅうかく
してるんだよな

はるに
しっかり
なえを
うえた
しょうこ
なんだよな

ひとっこ
だあれも
いねえ
いなかだと
おもってた
けどもさ

2015/06/09


こだち [2015年作品]

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きのうの
うたたちが

このはの
ように

ぼくに
しがみついて
います

かぜに
とばされれば

おしまい
だから

ぼくは
ねを
ひろげ

たくましく
えだを
ひろげ

たいようの
ひかり
いっぱい
あびて

うたが
かれないように

あしたからも
いきて
ゆくんです


写真は
JR紀勢本線 冷水浦駅にて

あかいばいく [2015年作品]


あかい
ばいくに
のって

しんごうまち
してたら

おばあさんから
あのう
すみません
これ
おねがいしますと

きってを
はった
おてがみを
わたされました

ぼくは
ゆうびんやさんじゃ
ないんですよと
いいたかったけれど

はい
わかりましたと
いって

しんごうが
あおに
かわると

ぽすとを
さがすために

あかい
ばいくを
はしらせました

2008
2015/05/23


かたらい [2015年作品]


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だれも
いない
むじんえきに
いると

なにか
はなしたく
なるんだ

こころに
ぽつんと
おいている
ことば

そっと
さりげなく

せんろの
そばに

さいている
ちいさな
はなに

かたり
かけて
みれば

ちいさな
はなが
やさしく
ゆれた

花暦 [2015年作品]


ときを
とめて

さくらを
いつまでも

さかせて
おけたら

どんなに
すばらしいかと
おもったけれど

そんな
ことしたら

つぎの
きせつに
さくはなが
かなしむ
でしょう

あじさいも
ひまわりも
こすもすも

じっと
さくのを
まっている

ときは
すぎて
ゆくもの

さいて
ちるから
うつくしい



まばたき [2015年作品]



ぼくらは
この
せかいに
とんで
やってきて

ちゃくち
している
いま
このとき

だれも
しらない

みえない
つばさを
やすめて
いるんだ

それで
また
とんで
ゆくのさ

あの
おおぞらの
かなたへ

由良あたりの海岸  (480x640).jpg

ことばはときどき [2015年作品]


ことばは
ときどき
このはの
よう

ことばは
ときどき
かみなりの
よう

ことばは
ときどき
はなたばの
よう


うみ [2015年作品]


うみが
あのひとの
こころ
だとすれば

わたしは
ただの
しろい
かもめ

あなたの
うみを
およぐ
さかなにも
なれず

ただ
つばさ
ひろげ

うみの
はてしなさを
しるだけの

しろい
かもめ

2015.02.16

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あるくこと [2015年作品]


あのみちも
このみちも
みんな
どこかに
つづくみち
あのやまに
あのそらに
あのひとに
あえるみち
こんな
すてきな
ことは
ないだろう
あるくことって
すばらしい




びーだま [2015年作品]

むかし
つくった
うたは
びーだま

もう
あそばなくなった
びーだま

ぽけっとに
いれ
わすれたままの
びーだま

そうさ
それだけの
こと


はつゆめ [2015年作品]


つきの
くぼんだ
ところに
こしかけて

みやざわ
けんじを
よんで
いた

ちきゅうを
みおろしながら

ぎんが
てつどうの
よるを

それから
ふゆじの
あおい
よみちを
よんだら

なけて
きたんだ

ちきゅうに
かえりたいってね

※青い夜道 : 尊敬する田中冬二先生の第一詩集。昭和初期の名作。

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